数学とあみだくじ
当ブログは、自閉スペクトラム症の当事者である僕が、いつも見ている世界をできるだけ詳細に言葉にすることで、皆さんに他者の価値観を鑑賞していただく試みです。
この記事は、Amebaブログのリメイクです。
お買い物に行ったばかりで、いろいろあるから、今日のおやつは迷っちゃう!
アイスも、クッキーも、シュークリームも…。どれにしようかな〜
じゃあ、そんなときは、あみだくじで決めるっていうのはどうかな。
あみだくじをやってみると、意外とワクワクするよね。
でも、ただの子どもの遊びってだけじゃなくて、あみだくじは数学的な探求ができる側面も持っているんだよ。それは、もっともっと、僕らをワクワクさせてくれる。今日はそんなお話。
あみだくじの定義
あみだくじは、上から下に進むに従って、一列に並んでいるものの順番を入れ替える装置のような役割をしているね。これは、真下のものが別のものに「置き換わっている」と考えることもできる。
数学の世界では、このような「並び順を変え方」のことを、置換と呼ぶよ。
置換とは、集合 Ω={1, 2, …, n} 上、ΩからΩ自身への全単射(一対一対応)
置換 σ によって、Ωの元 a は、σ(a)に置き換わる。
この σ を、[ σ(1), σ(2), …, σ(n)] と書くことにする。
ちょっと、難しい言い方に見えるかもしれないけれど、そこまでに難しいことは言っていない。例を挙げるとわかりやすいかな。
置換 σ によって、
1が2に、2が3に、3が1に移るとき
σ(1)=2 σ(2)=3 σ(3)=1
これを σ = [2, 3, 1] と書く。
そこまで理解し難いことではなかったでしょ。置換は一対一対応だから、行き先で、被って同じになったり、漏れてどれからも移ってこないようなものがないことに注意してね。
つまり、あみだくじは、視覚的に置換を表現したものだって言えるんだ。
うーん、そうなのかな。
本当にどんな置換でも、あみだくじで書くことができるの?
いい疑問だね。確かにどんな並び順にでもできるんだけど、自明なことではないという感覚は大事だよ。今回は、自分の好きな並び順にできるあみだくじの作り方を、紹介するね!
あみだくじができること
まず、そもそもあみだくじは必ず置換になっているのかな
それを確かめるには、ちゃんと「一対一対応」が取れるか考えてみよう。
まず、横棒を全く引かないで真下に縦棒だけ伸ばした場合は、全部が自分自身に移されるから一対一対応が取れているよね。
そこに横棒を一本付け加えたときに起こることは「隣り合う2つを交換すること」だよね。このとき、その2つは行き先を失わないし、それ以外のものは何も変わらないってわかるから、どんなに横棒を増やしても「一対一対応」であることは、疑いようがないね。
単に2つを交換することは、互換というんだけど、あみだくじは2番目と5番目をいきなり一本の横棒で交換するみたいなことはできなくて、互換のうち「隣り合う2つを交換すること」しかできないよね。これは、隣接互換と呼ばれるよ。
つまり、あみだくじがどんな置換であっても表現可能であることを示すのは、数学的には、任意の置換が隣接互換の積だけで表せることを示すことだと言えるね。
あみだくじの作り方
では、どんな置換でもあみだくじで描けることを、実際の構成の仕方を説明しながら、証明してみよう。
1 を i に移すとき、次のように i から左に向かって、階段を作っていこう。

そうすると、一番左の縦棒を除いた囲んだところが、元々のあみだくじより、一本少ないあみだくじになるよね。その一本少ないあみだくじにおいても、また 2 に対応するのから階段を作って、もう一本取り除けるね。
同様にして、左からどんどん一本ずつ減らしていくことができるから、最後には n に対応するものだけが残って、どんなあみだくじでも構成できることがわかるよ。
おお、確かに!これなら簡単に作れるね。
新たな疑問へ
だけど、この作り方って大分横線が多くなる傾向にあるんだよね。
次のように、同じ置換になるあみだくじでも、本数や引き方が異なるあみだくじもあるんだ。


そう思うと、新たな疑問が湧いてくる。
「横線の本数が最小のあみだくじを構成する方法はないだろうか?」
これを考えるには、与えられた置換から横線の最小の本数を知る必要があるね。「あみだくじの作り方(二)」では、それを紹介してみようと思う。みんなも少し考えてみてね。
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